レベルメータを作ってみた
投稿:2010-03-24、更新:2018-01-19
VUメータ編はこちら。VUメーターを作ってみました
VUメータを調整しているうちにレベルメータを作ってみたくなりました。
それと言うのも旭川の唯一のパーツ屋さんが近々閉店するためお邪魔してきたのがきっかけ。
キャッチマイハートなメータ(私の心をつかんだ良いメータ)を見つけたのでついうっかり。 値段も有って無いようなものなので、失礼にあたらないよう注意して自己申告3,000円。安かったかな? 上記のVUメータが2,000円台なので、こちらとしては敬意を払ったつもり。 これでレベルメータを作ろうと思います。
キャッチマイハートなメータ(私の心をつかんだ良いメータ)を見つけたのでついうっかり。 値段も有って無いようなものなので、失礼にあたらないよう注意して自己申告3,000円。安かったかな? 上記のVUメータが2,000円台なので、こちらとしては敬意を払ったつもり。 これでレベルメータを作ろうと思います。
製造後46年経過した新品(本当)。この店から見ると「20年間遅れてる」私なんぞ鼻たれ小憎です。
業務用のアナログメータは磁力を使うためにパネルの材質が鉄板用/非鉄板用で別仕様となっています。
メーカーは、おそらく横浜計器株式会社(判明しました、衡撃の結果は下記にて)です。会社沿革は不明ですけれどロゴ一緒なんで。
NHKの仕様とか検査とかあったのでしょうか?
メータの仕様を調べた上で回路を考えてみました。三端子レギューレータなしで、脈流のままオペアンプに入れてみます。
2010-03-09
電源トランスの予備を切らしてた。この間(上記)のがラストだったんだ。トイレットペーパーの予備を切らしたくらいにショック。
旭川唯一のパーツ屋さん、クラフト電子が閉店カウントダウンなのでトランスもないし、手持ちのスイッチング電源(片側5V/12V)でなんとかしよう。
これがきっかけで、思わぬ事態へ。
単電源なので、使えるオペアンプも限られる。
手持ちのオペアンプをチェック。
出てくるのは、CXA4559、TL072CP、NJM4558D、NJM4560D、TA75072P、LM358N、NJM4580DDといったところ。
LM358Nが単電源用に開発されているので、コレで行こう。
データシートのアプリケーション(応用回路)を眺めていると、交流増幅回路がありました。
コンデンサで入力を分離、電源の50%を中心に上下する波形を増幅、出力もコンデンサで分離する回路です。
交流だからコンデンサで分離、電源の50%を追加(ゲタをはかせる)できる訳だ。
まてよダイオードの0.6Vも同じようにゲタをはかせると、半波整流だど0Vから整流できるんじゃないか?
整流後は0.6Vのゲタが付いてるか。
(入力1.0V+ゲタ0.6V=整流後1.6Vってことです。)
そこは、オペアンプの差動増幅でゲタの0.6Vを削られないかな?
といった事柄を考えながら引いてみた回路図がこちら。
左のVRでダイオードの0.6Vまで電圧を上げておいて、信号が0Vから流れるようにします。
波形の上半分だけ流れて下半分はダイオードで止まります。
上半分は0.6Vのゲタがあるので、右のVRでゲタと同じ電圧を入れるようにして、ゲタを削ります。
オペアンプの出力は半波整流のままなので、メータの針がきちんと動くようにコンデンサで平滑します。
これで動作するかな?
2010-03-13
回路を組んでみて、色々やってるうちに、まったく異なる回路になっていました。
上の回路では、うまく動作しないため、色々試して、こんな回路に落ち着きました。
ブレッドボード上で部品を取り替え、配線をずらしたり、色々やった結果がこれです。
回路のカラクリは、以下の通り。
図面右半分のスイッチング電源は通常、単電源0V~12Vで使うところなのですけれど、-6V~0V~+6のなんちゃって正負電源で使います。
詳細はキーワード「抵抗分圧」で。
フルスケール200μAのメータを振る回路のために用意した正負電源が18mA(=12V÷(330Ω+330Ω))消費します(ぜいたく回路)。
図面左端から信号が入ります。おおよその電圧は200mV(0Vから波形の頂上までの電圧、以下同じです)。
レベルメータに入れる機器は、ラインミキサのエフェクト用出力なので音量調整が効きますから入力にボリュームを付けません。
コンデンサ0.012μFは、入力の高周波ノイズ対策です。
液晶モニタ兼用TVのイヤホン端子から500kHz~2,000kHz程度のノイズがやってくるので、ここで消去します。
オペアンプで信号の電圧200mVを9.3倍に増幅して1.86V(=200mV×9.3)になります。
ダイオードで波形の下半分を削って上半分だけ残します。理屈では上半分がそっくり残る事になっていますけれど、0V~0.4Vも削られて1.46Vになります。
整流用のダイオードは電気が流れているときに電圧を少し削ります。
まるで固定資産税みたいだ(笑)。
詳細はキーワード「順方向電圧」で。
【ご注意】最近の整流用シリコンダイオードの順方向電圧は、テスタで測定すると0.4Vです。判で押したように0.6Vとか言わないように。
(実は、岡山努氏のブログに「一概に何Vとは言えない」とあったので、測ってみたのが真相です。)
ダイオードの順電圧: アナログエンジニア
残った波形は上半分、しかも下から0.4Vが削られたもの。
これをメータに入れると高い音で針が振れません。
それはメータが電磁石で針を振る物なのですけれど、そもそも電磁石に使ってるコイルって物は、電圧の変化速度が低速用なのです。
具体的には、針が左右にビュンビュン振れる程度はよいですけれど、音声信号の波形では速すぎです。
例えば、1秒間に1,000往復するような動きは、メータに無理ですから。
その対策にコンデンサ5,600pFで波形の頂上と、その次の頂上に橋をかけて、谷まで降りないようにして変化速度を遅くします。
詳細はキーワード「平滑」「脈流」で。
谷まで降りないようにすると音が小さくなっても針が戻らないという副作用が出てきます。
コンデンサに「谷」と「頂上が低くなった」の区別はつかないのです。
この対策でコンデンサの電圧を徐々に下げる抵抗2.2MΩ×2個を入れます。
手持ちの2.2MΩを1個では電圧の下がり方が速すぎたのでもう1個追加しました。
このままメータに入れると、その抵抗は1.5kΩしかないために電圧が早く下がってしまい、針が振れません。
そこでオペアンプでボルテージフォロアを作り、うまい事いった電圧の変化を維持してメータに入れます。
ボルテージフォロアの用途として至極まっとうな例だと思います。
ボルテージフォロアから出てきた電圧は1.46Vでメータは300mV(=0.3V)一杯ですから、そのまま入れると針が振り切ってしまいます。
60%くらいの所で振れるように2.2kΩを追加しました。
残りのコンデンサ0.1μFと250kΩのボリュームはどうした?
コンデンサ0.1μF→オシロスコープで波形を見るときボルテージフォロアが発振していて見にくいので。あくまで測定用なので。
ボリューム250kΩ→信号がないにも関わらず、メータに6mV出てきて針が振れるのを調整。メータ自身の零点調整で十分。
ブレッドボードからユニバーサル基板に移植しました。
その時の回路図はこんな感じ。
スイッチング電源にヒューズが入っているので省略したのと、
手持ちのケースがメータのサイズ一杯だったのでパイロットランプも省略、
電源スイッチは背面に付ける予定、
250kのボリュームは手持ちの半固に変更しました。あ、半固=半固定抵抗です、ついうっかり。
部品のレイアウト、配線の引き回し、そしてハンダ付けはやっぱり楽しい。 そして動作テスト。 後ろの基板が外付けハードディスクに内蔵されていたスイッチング電源(12V/5V)です。 2010-07-02 ケース加工した際にメータを撮影したら衡撃の大発見。 アルミケースに大きな穴をハンドニブラでパキパキ開けて、固定用のビス穴もあけて取り付けてみました。 正面からは、こんな感じ。 あ、目盛板の上端に何か書いてある。 近づいて撮影してみると… う、うそだろ、これ。mjdsk(←あまりの衡撃にスラング?を使ってしまった事をお許しください)。 えーと、何に腰抜かしたか説明しますね。 「ヤマキ電気(株)」というVUメータの有名メーカがありまして、昔々の社名は「八巻計器製作所(株)」なんです。 はい、上の写真をもう一度ご覧ください。 もう、おわかりですね、あのVUメータのヤマキが1964年に製造したメータで計らずもレベルメータを作ろうとしてる訳です。 次回からこのページのタイトルを「ヤマキのメータでレベルメータを作る」にしようかな。 検索で間違って、ココに来る人達が大勢いそうだ。 べっ、別にウソついてないもん<確信犯だろが(笑) それと、ヤマキのメータを3,000円で買いたたいて申し訳ありません m(_ _)m >クラフト電子の人 2010-07-03 ケースに詰め込んで完成しました。 以前、作ったVUメータとの針の振れ方に明確な差が出てないのはVUメータのほうが速いためと思います。 できるだけ速くするために、2.2MΩ×2個の所を1個に減らしました。 できあがったので、ページのタイトルを変更しました。 基板のハンダ面 ケース内に転がし 完成 2010-07-07 回路図(最終版)を掲載。 電源スイッチを省略、入力端子の記号、2.2MΩ×1個の件くらいですね。 2010-07-09 動きを見せたい説明には、動画がもってこいですね。 さぁ、どれだけの人が釣られて動画を見るかな(笑)。 2018-01-19 【この動画を削除しました】
部品のレイアウト、配線の引き回し、そしてハンダ付けはやっぱり楽しい。 そして動作テスト。 後ろの基板が外付けハードディスクに内蔵されていたスイッチング電源(12V/5V)です。 2010-07-02 ケース加工した際にメータを撮影したら衡撃の大発見。 アルミケースに大きな穴をハンドニブラでパキパキ開けて、固定用のビス穴もあけて取り付けてみました。 正面からは、こんな感じ。 あ、目盛板の上端に何か書いてある。 近づいて撮影してみると… う、うそだろ、これ。mjdsk(←あまりの衡撃にスラング?を使ってしまった事をお許しください)。 えーと、何に腰抜かしたか説明しますね。 「ヤマキ電気(株)」というVUメータの有名メーカがありまして、昔々の社名は「八巻計器製作所(株)」なんです。 はい、上の写真をもう一度ご覧ください。 もう、おわかりですね、あのVUメータのヤマキが1964年に製造したメータで計らずもレベルメータを作ろうとしてる訳です。 次回からこのページのタイトルを「ヤマキのメータでレベルメータを作る」にしようかな。 検索で間違って、ココに来る人達が大勢いそうだ。 べっ、別にウソついてないもん<確信犯だろが(笑) それと、ヤマキのメータを3,000円で買いたたいて申し訳ありません m(_ _)m >クラフト電子の人 2010-07-03 ケースに詰め込んで完成しました。 以前、作ったVUメータとの針の振れ方に明確な差が出てないのはVUメータのほうが速いためと思います。 できるだけ速くするために、2.2MΩ×2個の所を1個に減らしました。 できあがったので、ページのタイトルを変更しました。 基板のハンダ面 ケース内に転がし 完成 2010-07-07 回路図(最終版)を掲載。 電源スイッチを省略、入力端子の記号、2.2MΩ×1個の件くらいですね。 2010-07-09 動きを見せたい説明には、動画がもってこいですね。 さぁ、どれだけの人が釣られて動画を見るかな(笑)。 2018-01-19 【この動画を削除しました】
2010-08-04
札幌に用事(電気安全大会)があったので、
そのついでに北海道の数少ないパーツ屋さん「梅沢無線電機」へ。
本能の赴くまま、パーツを購入いたしました。
現物を手に取って眺めながらの買い物は、ネットで味わえない楽しさがあります。
色々購入したけど、このページに関連するパーツだけ小出しに(ネタバレ防止策)。
トイレットペーパー電源トランスをぽいぽいっと(笑)買物小皿に。←スーパーで買物カゴに入れる感覚です。
パーツ箱にトランスが無くて、このところ、あずましくなかったんだ。
(奥)±9V(80mA) ±12V(40mA) ±15V(30mA)
(手前)±5V(100mA) ±5V(150mA)